うちの待合室。
狭くて申し訳ないのですが、実はいろんな情報にあふれています。
最近は皆さん(私もですが)待っている間、車内ではスマホを見る事が多いかと。
たまには周りを眺めてみてください。
うちの待合室は院長の好み(プライベートな)があふれています。
さて若干フォーカスが甘くなりましたが、ここにあるのは歯科に関するものです。
最近連続して外歯瘻(がいしろう)の
高齢ワンちゃん猫ちゃんの診察が続いたので、ちょっと説明を。
目の下辺りが腫れだして、
ある日穴が開いて膿と血液がぽたぽたと。
で飼い主さん慌てて診察に来られます。
怪我?虫刺され?腫瘍?
私が見るのは口の中。えっ?傷は眼の下ですよ!
だいたいの場合歯石が付いていて、
歯肉炎を起こしている口腔内が観察できます。
実はこの眼の下の傷はこの歯からきていることが多いのです。
原因となる歯の根っこ(歯根部)が化膿してどんどん溜っていき、
排出口を探して口腔内や皮膚に向かって道を作って穿通させる、
というものです。
口腔内に開通するものを内歯瘻(ないしろう)、
皮膚に開通するものを外歯瘻(がいしろう)
と言います。
治療はその原因となる歯の炎症を抑えること。
ということは全身麻酔をかけて、歯石を取って、
歯肉や歯根の炎症の状態により洗浄や場合によっては抜歯を行います。
ただただ注射や内服で抗生物質(化膿止め)を投与しても
原因の歯の状況次第で再発してしまいます。
わんちゃん、猫ちゃんは歯磨きの習慣がなければ
ほとんどの子が歯石がついてきます。
そして歯周病になります。
またしっかり歯磨きの習慣があっても
歯と歯肉の間の表面から見えない部分に歯石がつきます。
なので定期的に全身麻酔下での歯石除去をお勧めします。
ただし、全身麻酔できるかどうかを血液検査等内臓機能をチェックする必要があります。
高齢になるとなんらかの異常が認められることがあるので
若いうちに歯石除去をしておくと
酷い状態になるのを避けることができます。
最近無麻酔で歯石除去、という話が出ていたりしますが、非常に危険です。
動物病院で行う処置は
全身麻酔をかける⇒口腔内チェック(口腔内レントゲンも)⇒
超音波スケーラーで歯石除去⇒専用の器具で歯周ポケット内の歯石を除去⇒
研磨剤2種類使って歯の表面を研磨⇒必要な部位に抗生剤軟膏注入
歯石除去なんて簡単なんでしょ、と思われるかもですが
1本1本丹念に見ていくので
避妊去勢手術より時間かかります。
繰り返し言いますが、歯は大事です。
アークは早い段階で多くの歯を失い、
下顎骨が薄くなり、全ての歯が無い今、
ドライフードを舌に張り付けて食べています。
食べにくそうです。
ツバキは免疫性の疾患で慢性歯肉炎があり
硬い歯磨きガムなどを食べると出血します。
炎症がひどくなると痛みで食べる事ができなくなったりします。
犬猫に歯磨きなんて、という時代はもう終わってます。
歯磨き+歯石除去です。
今症状が無くても歯石除去を検討してみてください。
院長、実は日本小動物歯科研究会所属しています。歯にはうるさいです。
さて、8月の休診日です。
8月も祝日の変更があります。
その結果、9日(月)は8日山の日の振替休日で休診です。
11日は通常通りです。
13日(金),14日(土)は通常診療ですが院長1人診療です。
トリミングはできません。
15日(日)は午前診療です。トリミングできません。
暑さとコロナ対策でなかなか外出できませんが、
上野動物園の双子パンダちゃんにちなんで
LEGOで作ってみました。
これからちょこちょこ病院の待合室に増えていく予定です。
こうご期待。