3月3日はひなまつり。院内にもかわいいお内裏様とお雛様が・・・
あっ!位置が逆ですね。ちゃんと戻しておきます・・・
めでたいのはひな祭りではなく、
今日3月4日はつばき9歳の誕生日です。
2011年の今日、帝王切開で産まれたつばき。
ひとりっ子だったのでお母さんシー・ズーにべったり。
気が付けば9年、早いですね~
9歳の朝。お腹空いたな~、の顔です。
この写真を見て、あれ?と思ったあなたはつばきファンですね。
眼の周り、マズル、口元がちょっと汚れている?
実は、つばき1月頃から皮膚病変がちらほら見られ、また左上眼瞼には腫瘤もあり、
2月に切除手術と同時に皮膚の検査を行いました。
皮膚の検査とは病変部の皮膚、粘膜を一部切り取って、
病理検査といって組織や細胞がどうなっているのか
病理専門の獣医師に診てもらうものです。
結果、「粘膜類天疱瘡」という自己免疫性の皮膚疾患の疑いが強いことがわかりました。
自己免疫性とは簡単にいうと自分の身体を自分で攻撃してしまうこと。
この疾患は粘膜、粘膜皮膚境界部、被毛に潰瘍ができて
特に口唇部や眼瞼近く、外陰部等などに病変が見られます。
つばきの身体のあちこちに潰瘍や痂皮が見られ、特に口内と唇のあたりは出血も見られます。
今は免疫抑制のための副腎皮質ホルモンと漢方薬を投与して反応を見ています。
違和感があるのかよくあちこち舐めていますし、
投薬の影響で飲水量が増えて尿量も多いですが、
食欲もあり、散歩も大好き。
思えばつばきはいろいろ病気しています。
先天的な膝蓋骨内方脱臼、緑内障(のちに盲目に)、血小板減少症、真菌感染、
そして今回の粘膜類天疱瘡。
メンタルも弱い。
雷怖いから雨音も怖いに進行。
アークも怖い、からの他の犬の鳴き声怖いに進行。
道路の網も怖い。そこを避けて誘導しているのになぜかいつも網の上を歩いて驚いている。
眼が見えなくなって、時間はかかったけれど
室内を歩いたり、水を飲みに行ったり、ソファーにあがったり降りたり、
少しずつ日常を取り戻している。
怖がりは裏を返せば慎重派。
いいぞ、つばき!
粘膜類天疱瘡の治療は一生続くものになることも多いです。
毎日投薬しながら、状態をよく観察していく必要があります。
また最近、15歳のアークも歩様がおぼつかなくなってきました。
2匹の介護生活が始まるのも遠い将来ではないでしょう。
老犬・老猫介護はペットの長寿化とともに身近になってきた分野です。
こういう問題にはこういう対処を、というだいたいのやり方はありますが、
それぞれの犬猫さんの抱えている疾患、性格、
また飼い主さん家族の状況、
いろいろなことを考慮してどういう介護ができるか、考えていくのがいいかな、と思います。
高齢犬猫さん、または疾患を持った犬猫さんの介護についてわからないときには
動物病院を頼ってくださいね。
人生はB(Birth=誕生)とD(Death=死)の間のC(Choice=選択)である、
と言ったのはサルトル。
人生は選択の連続である、だから幸せな選択をしていきましょう。
歩けないアークの為にバッグに入れての移動がいいのか、
お気に入りのソファーでのんびりさせる方がいいのか、
皮膚が悪いつばきに服を着せるほうがいいのか、
口が痛い時のフードは何がいいのか、
この2匹の為に選択の日々です。
繰り返しになりますが、介護に関しての悩み(食べない、歩けない、お手入れなど)
相談してくださいね。
あっ、つばき お誕生日おめでとう
バースデーケーキは・・・ありません。ごめんね。