今回はまず大事な休診日のお知らせから。
今回若干イレギュラーなところがあるのでよく読んでくださいね。
ゴールデンウィークですが、
4/29(木)終日休診
5/2(日)午後休診
5/3(月)終日休診
5/4(火)午後休診
5/5(水)終日休診
5/6(木)木曜日だけど病院開けます。トリミングも出来ます
そして狂犬病集合注射当番の為、
5/11(火)午前中診察できません。トリミングはできます。
また、お薬やフードのみの方は前日までに連絡いただければ準備しておきます。
5/23(日)終日休診です。午前診察ありません。
その他はいつも通りの休診となります。
よろしくお願いします。
では、ここからは雑談となります。
シックスセンス、という映画をご存じでしょうか。
ちょっともう古い作品ですが、最後にあぁぁ、となる私は好きなジャンルです。
シックスセンス、日本語でいうところの第六感。
6というからにはその前に5つの感覚、五感がありますね。
今日はそのお話。
そもそも五感とは・・・
視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚です。
人間の話は別の方に任せて、犬猫の話をしましょう。
味覚、舌で感じる感覚ですね。
まだまだワンニャンの味覚はよくわかっていないところも多いです。
本能的に苦いとか酸っぱいものは腐敗物の可能性があるので嫌がる傾向があります。
ただ人間より塩みも甘みも薄くが鉄則。
人の食べ物を欲しがります、
というのはそれを食べた結果であって、
与えたことがなければ欲しがることはありません。
もちろん、とても食が細いワンニャンもいますので、
その場合はいろいろな工夫をしますが、
基本的に犬猫用に作られているフードの味(人間にはとてもとても薄味)
で満足しています。
人の世界では激辛ブームもありますが、
ワンニャンの世界ではいつでも
薄味最高!な世界です。
さて、次は視覚。
目を使って物を見る。
ワンニャンが色盲であるとか、視力は人より悪いという話、
聞いたことがあるかもしれません。
彼らが生きていく上で、色はそんなに重要ではない。
4Kのテレビに感動する事はないでしょう。
でもうちの子テレビ見るの好きですよ、
と言われる飼い主さんもいらっしゃいます。
犬猫は動くものには反応します。
そう動体視力は優れています。
だから家の中にいて窓越しに近づく人影に反応して吠える、
外の人はただ家の前を歩いているだけですが、
犬からしたら自分が吠えたら遠ざかっていった=追っ払った
で次からまた吠える、という事があります。
それから猫ちゃんがどこか1点を見つめている、
怖い何かいるの?
いえいえ、多分小さな虫とか飛んでいたんですね。
高齢になって白内障などで視覚を失って、
飼い主さんはとても心配するけれど、
ワンニャンそれほど困っていないかもしれません。
とは言え、最近白内障が進行し見えなくなったアークは
よく病院や自宅で自分がどこにいるのかわからなくなって
徘徊するようになりました。
ツバキは緑内障で急に視力喪失した時は1日動けませんでしたが。
視力障害が出た犬猫さんの為には
室内の模様替えはあまりしないように、
散歩コースはいつもの道を、
とお伝えしています。
記憶している室内の配置、いつもの道なら
上手に歩けますから。
次は聴覚、耳ですね。
犬猫の聴覚が人間よりいいのは皆さんご存じですよね。
人には聞こえない音まで聞こえます。
私はもうモスキート音が14000Hzくらいまでしか聞こえません。
サイレンの音やハーモニカの音に反応して遠吠えするワンちゃん、いますよね。
また雷の音が嫌いなワンちゃん、
雷鳴ってないのに震えている、というのは
実は遠くの音が聞こえている場合もあります。
ツバキは大雨と雷がセットになっていて、激しい雨の音も苦手ですが。
でも私がスマホケースを閉じるパタッという音やレンジのチンの音は好きです。
なぜならごはんの準備の前にその音がする事が多いから。
習慣になっているのですね。
そう好きな音、嫌いな音があるんです。
だから問題行動で突然怒る、噛みついてきた、
などの理由の1つに音があるかもしれません。
しかもその音は私たちには聞こえない小さな音や周波数の音かもしれません。
ワンちゃん、猫ちゃんの耳の動き見てみてください。
どこかの方向に耳を向けていませんか?
一瞬の動きの場合もありますが。
私たちにはなんともない音でも犬猫に不快な音があるかもしれません。
よく観察してみてください。
こちら先日開院3周年のお祝いに飼い主様よりいただいたお花。
病院の入口に飾っていました。
もしかしたら自動ドアが開いた瞬間、「いい匂い」
と思われた方もいらっしゃるかもですね。
そう、次は嗅覚。
鼻でにおいをかぐ。
鼻から入ったにおいの分子が鼻の中の嗅細胞を刺激して
大脳辺縁系に情報が伝えられます。
この大脳辺縁系は原始脳とも呼ばれ本能行動に関係している脳です。
先ほどお話した視覚や聴覚は
脳の視床や大脳新皮質(理性の脳)を経て
大脳辺縁系に届きます。
難しいですか?
見たものや聞こえたものは、
まずそれが何であるか考えてから、
好きとか嫌いとか判断します。
でもにおいは嗅いだ瞬間に
好きとかあの時の匂い、とかの感情や記憶が出てくるのです。
当院でも行っているアロマセラピーは
アロマオイルの薬理作用(抗菌、消炎、皮膚再生など)を
考えて使用しているのもありますが、
同時に匂いでリラックスし緊張を解く作用も考えて使用しています。
犬猫の嗅覚も人間以上なのはよく知られていますね。
警察犬や麻薬探知犬など
その優れた嗅覚を利用していますね。
ただあれはトレーニングの賜物です。何もしないで出来る技ではありません。
なので飼い主さんが迷子になっても
あなたのワンちゃん、猫ちゃんに捜索はお願いできません。
またツバキの話になりますが、
視覚を失ったツバキは嗅覚と聴覚を最大限に利用して
日々の生活を送っています。
散歩が好きだけどグレーチング(側溝に被せてある金属の網)が苦手。
外に出ると全集中でそろりそろりと歩き出します。
なぜなら50m先に第1のグレーチングがあるから。
道路のにおいと道路の傾斜(坂道を下りたところにある)の感覚を読んで歩きます。
ちょっと歩いて、ここですか?と何度も確認。
まだまだ先ですよ~、と誘導しながら歩いている姿はちょっと不思議かも。
50mに5分以上かかることもあります。
そこを超えると緊張を解くために身体をぶるぶる震わせて一呼吸。
そこからは快調な歩きが続きますが、
ある程度歩くと次のグレーチングポイントが。
だいぶ前からまたそろりそろり歩きが始まります。
臭いを確認して、そっと足を置いて。
これを1回の散歩で4回繰り返します。
普通に歩くと10分足らずの距離を30分以上かけて歩きます。
道路や風のにおい、聞こえる生活音や車の音、道路の触感を使っての散歩。
こうやって書くと楽しいですか?と言われそうですが、
ツバキは散歩行く?、というと
喜んで玄関に出てきます。
十分楽しんでいるのでしょう。
因みに、アークはあまりにおいをかぐ動作はしません。
寝る時よくツバキにくっついていますが、
こんな風にツバキのお尻に顔くっつけて
いることがよくあります。
臭くないのだろうか・・・
さてそのアークですが、
眼が見えなくなって特に拍車がかかったようですが、
誰かにくっついていると安心するようです。
日中はツバキにくっついて寝ている事が多く、
また眠いのになんだか落ち着かない時は
抱きあげると秒で寝ます。
そう、次の感覚は触覚です。
ワンちゃん猫ちゃんが洗濯物の上に乗る、
とか布団にオシッコしたとか。
これ足裏の感覚が気に入ってやっているかもしれません。
猫ちゃんのトイレ問題でよくあるのですが、
猫砂との相性は結構大事。
飼い主さんは掃除のしやすさで選びがちですが、
猫ちゃんは猫砂の踏み具合、掻き具合、大事にしています。
たっぷりの量の猫砂をしっかり踏んで排泄して、
その後しっかり掻いて隠す。
排泄のストレスはいろいろな問題行動につながります。
皆さんの猫ちゃんはトイレに満足していますか?
またワンちゃんのトイレシートも同じです。
最初に布製品の上やカーペットに排泄
してしまい、その感触でそこをトイレと認知してしまう事があります。
またワンちゃん猫ちゃんをなでる行為。
これもその子によってベストななで方があります。
圧のかけ方、スピード、手のひらがいいのか手の甲がいいのか、などなど。
なでる身体の場所も。
ベストななで方研究するのも楽しいですよ。
以上、五感のお話でした。
さて、タイトルのシックスセンス、第六感。
もちろんあると思います。人も犬猫も。
いつもと何か違うんです、という飼い主さんの感覚、
とても大事です。
動物病院では普段の姿をよく知っているわけではないので、
毎日観察しているご家族の方々のその感覚にはかないません。
もちろん、わんちゃん猫ちゃんも飼い主さんたちの変化をよく読んでいます。
お互いに幸せオーラを出して毎日過ごせるのが一番の健康の秘訣かもです。
ちなみにツバキのシックスセンスはちょっと弱いかも。
あれだけ用心深く歩いて近づいたグレーチング。
避けたつもりで横に逸れたところが
グレーチングでびっくりする、ってのを5回に3回はやってます。
思った以上に長文になった今回。
結論、犬猫と人間は違うよ、ってことです。