2022年1月22日12:30 アーク17歳と19日の生涯を終えて虹の橋を渡って行きました。
とても長くなりますが、アークのこの2年間の話を聞いてください。
21日の朝6時まではいつものようにお水を飲み、またちょっと寝て・・・
そして朝7時いつもの1日の始まりのはずが・・・
「僕はもうご飯は食べません」と断固拒否。
病院でもいつもならちょこちょこ起きて、水飲みたい、と言うのに
その日はずっと寝ていました。
柔らかいフードも、いつもの切り身の魚をゆがいたものも、いらない、と。
お水だけは少しだけなめていました。
その日の夜は鳴くたびにおしっこ?水?と抱いて連れていっても違う、と。
どうやら抱いていて欲しかったようでした。朝まで続きました。
22日は午前中いつもの受付の下で静かに寝ていました。
午前の診療が終わり、私がお昼を食べ終わりそうになった時に、
「ひゃん」といつもとちょっと違う鳴き方をしました。
カンガルーエプロンのポケットに入れて抱いていましたが、
本当に静かに最期を迎えました。
一切苦しむことなく、1日半前までしっかりご飯も食べて、
飼い主の仕事に支障がないタイミングで逝ってしまいました。
実は、2020年3月、夜中3時半に初めてのてんかん発作を起こしていました。
発作は数分でしたが、その後1時間以上室内をぐるぐる回る旋回運動が見られました。
その後も数日おきに夜中の発作とその後の旋回運動が続いていました。
最初の発作の後は日中もずっと落ち着きなくうろうろする様子があり、
また、私の姿を探す不安状態と過度にツバキに攻撃をしかけるなどの
今までと違う行動が見られました。
抗てんかん薬と漢方薬を投与し、この状態は2か月ほどで落ち着きましたが、
投薬は続けていました。
その頃から少しずつ歩き方がおぼつかなくなり、
後肢が硬直しがちになり、
背中が丸まってきました。
また白内障も進行し、視力障害、
そして聴力も落ちて、呼んでも反応しないことが増えました。
散歩の時はアークが先頭でツバキはその後をついていくパターンでしたが
そのお散歩もある日、
「もう行きたくないです」
と言い出し、ツバキとだけのお散歩になりました。
そう長くはないかもしれない、と思い始めた頃、
東方神起の「時ヲ止メテ」を聴いてその歌詞に涙しました。
(日本語歌詞も韓国語Verの歌詞もささりました)
てんかん発作はおさまりましたが、歩くのが困難になり、
トイレが間に合わずおむつになりました。
なんとか歩いてもすぐにバランスを崩して倒れ、
そこから起き上がることが難しくなってきました。
そのうち、何かあると「ひゃーん、ひゃーん」と鳴いて私を呼ぶようになりました。
呼ばれたら、抱いてまずペットシーツの上に降ろしておしっこ。
(おむつしていてもちゃんとペットシーツでしたいのです)
そしてお水を飲ませる。
このお水やフードの食事介助も徐々に大変に。
恐らく発作の後の後肢のつっぱり含めて
脳脊髄系の障害が出てきていたのだと思います。
水を飲む、フードを食べるなどの行為をしようとすると身体が震える、
企図振戦という小脳系の障害が見られるようになっていました。
それでもなんとか自力で飲食していました。
寝ている時間も増えましたが、
それでも日中は調子良ければ自分でお水飲みに行って
そのまま少しうろうろ院内を歩いていました。
夜は「ひゃーん」と鳴いて起こされ、
抱いてベッドから出ておしっこさせて、
お水飲ませて、ベッドに戻る
を一晩に1~3回くらいがルーチンに。
2021年はアークが「ひゃーん」と鳴いたら
診察中でない限り優先してお世話するのがもう日常になっていました。
自宅で料理していても、掃除していても、
はいはい、と馳せ参じる毎日。
フードを食べるのも震えが強くなってきたので付きっきりで介助。
若干舌の動きも悪くなっていたので時々むせてしまうので目が離せない。
さらに、抱いていると眠るのですがペットベッドに入れると起きてしまうので
私がカンガルーエプロンのポケットに入れて動き回る毎日となりました。
夜も私にくっついていると寝るのでまずアークを寝かしつけるのが先になりました。
そして2022年1月7日の夜中、1年8か月ぶりに発作を起こしました。
そろそろ覚悟をしなくてはいけないな、と思った瞬間でした。
体重1.9㎏のアークが急に消えて部屋がとても広く、静かに感じます。
朝起きてアークを抱っこせずにリビングに行く腕の感覚が・・・
家事をしていてもアークの「ひゃーん」に手を止める必要もない・・・
飲み水が汚れない(アークが飲むと口に残ったフードですぐに水が汚れていました)
アークのご飯にいれる魚を選ばなくてもいい
夜中起こされない
ソファーにツバキとゆったり座れる
でもこの空虚感・・・
介護は徐々にやることが増えていきます。大変な部分もありますが
慣れてくればそれが生活のリズムの一部となります。
でも終わりは突然で、それに身体も心もまだ慣れないのです。
この2年間、こういう仕事をしているせいかあまり大変とは思いませんでしたが
それはアークが小さいのもあったかもです。
中型犬の介護となると徘徊や夜鳴きの声の大きさも違いますから。
やはり飼い主さんは大変だろうと思います。
それでもお世話するのはやはりその子がかけがえのない存在だし、
愛情があるからだと思います。
最後にアークに5本のバラを贈りました。
この花言葉は
「あなたに出会えた心からの喜び」
専門学校の学校犬だったアークを引き取って8年半。
他の犬と遊ぶより学生たちと遊ぶのが好きで、
それ以上に私のことが好きで、
看板犬のはずが、私が飼い主さんと話していると私を守ろうとして
飼い主さんに吠えかかっていく子で。
楽しい毎日でした。
MAX CHANGMIN from 東方神起のOVER
という曲は、本来は失恋?の歌なのでしょうが、聴いて涙しています。
ペットロスの症状は人それぞれです。
さすがに、たかがペットの事で、と言われる事は少なくなりました。
まずは十分に悲しみましょう。
つらい気持ちを誰かに聞いてもらうのもいいです。
幸いにも私にはツバキがいるのでまだ良かったのかもです。
ペットの介護、ペットロス
これからもっともっと皆さんの力になれるような獣医師になることが
アークへの恩返しになるかもしれません。
長くなりました。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
また、病院でアークに声をかけてくださった皆様
ありがとうございます。
まだまだツバキがいます。
どうぞよろしくお願いします。
たくさんの愛情をたくさんの人からもらった幸せなアークです。
みなさん、本当にありがとうございました。
アークさん、長い闘病生活お疲れ様でした。
素敵なご家族と、素敵な犬生を送れましたね。
貴方の息子ヴィオラは、我が家で元気にやっています。
どうぞ安らかに。
たかぼーさんありがとうございます。
ヴィオラちゃん元気で何よりです。