アーク 13才 右上の犬歯しか残っていません。
というわけで、歯磨きモデルはできません。
6月4~10日は歯と口の健康週間になっています。これ、ヒトの話。
で、便乗しようとわんにゃんのデンタルケアのお話を。
結論から言うと、
3日に1回でいいので歯磨きしましょう。
歯磨きで取れない歯石は全身麻酔下で歯石除去しましょう。
以上!っていうとあんまりなので、
今日は当院での歯石除去についてお話しましょう。
口腔内の健康は内臓の健康にもつながります。たかが歯、ではないのです。
それでもついてしまった歯石は歯磨きでは落ちません。なので動物病院での処置が必要。
では処置の流れを説明します。処置中の写真が出てきます。苦手な方はスルーしてください。
①麻酔処置
犬猫にとって口を無理やり開けられ、歯についた歯石を削られる、なんて無麻酔では無理です。
なぜそんなことされるかわからないし、痛いし。
暴れる子もおとなしい子も痛いものは痛い。
それに、ちゃんと処置するためにはいくつかの工程があるので、
鎮静・鎮痛剤と注射麻酔・ガス麻酔を組み合わせて全身麻酔をかけます。
➁口腔内検査
口腔内のレントゲンを撮ることがあります。これは歯根の炎症が顎の骨にまで影響していることがあるから。
歯石の付き具合、歯のぐらつき、歯肉の炎症、歯周ポケットの深さ、などをチェックしていきます。
それにより、抜歯の必要が出るかもしれません。
③歯石除去
超音波スケーラーを使用して歯石を除去します。
(処置中は手術用手袋、手術帽、マスクをして行います。この写真は素手ですが・・・)
④ルートプレーニング
歯周ポケットの中の歯石を掻き出します。この見えない部分の歯石をしっかり取ることが大事です
⑤研磨
2種類の歯科用研磨剤を使って歯の表面を磨きます。スケーラーで歯石を取っただけでは歯の表面が
凸凹していて、また歯石が付きやすい状態なのです。なのでこの作業で歯の表面をつるつるにします
⑥ホームケアの指導
ここからは飼い主さんの出番。
きれいな歯を継続するため、その子にあったホームケアを提案させていただきます。
歯ブラシを使うのか、サプリを使うのか、などなど。
麻酔をかけて、じっくり処置をするのに約1時間かかります。抜歯が必要な場合、更に時間をいただきます。
ただ、歯石を削っているだけではない、ということがおわかりいただけましたか?
さて、次回はホームケアのお話です。